NOBILES Days
Jump to navigationToward The Shining Future 26
転職して、前職よりさらに遠くなってしまった通勤路だが、ターミナル駅までチャリで出たり、乗り継ぎをうまく駆使すれば、前職の時とほぼ同じ2時間でいけることが分かった。
ただ...ピッタリな時間につく電車がないので、結局15分早く起きなければならないのだが。
まあ、少しずつ慣れていこう。
前職職場近くの桜
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 1/100sec, F2.5, ISO100)
実はこの写真を撮ったのはちょうど一年前だ。この頃、まさかこんなことになっているとは、全く想像だにしていなかった。
さてさて、収束目前の転職顛末記。
26 The Confession [告白]
奇跡の内定から、猶予は僅かに5日間。
そこに立てるとは思わずに突き進んだ結果辿り着いてしまった人生の大きな岐路で、俺は悩んだ。
しかし、自分の才能をより発揮できると思う仕事に就けるチャンスなんてそうそうない、と覚悟を決めた俺は12/7、内定を受諾し、入社する意向を伝えた。
そう。俺は本当に転職をすることになった。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
21. Slightly Bitter [ほろ苦]
22. Infinite Loop [無限ループ]
23. Their Final Decision [審判下る]
24. Think Simply [シンプルに行けばいい]
25. My Final Decision [決断]
でも、まだ悩むことがあった。
足の怪我で、俺はまだ現職に復帰すらしていないにも関わらず、転職だけを先に決めてしまったのだ。
一体どうやって上司や同僚達に伝えればいいのか。しかも、実際に移るのは4月。4ヶ月も後のことだ。
まず復帰しないことには話は始まらない。まだ膝が90度曲がらず、座っているのに少し苦労があるが、そんなことを言っている場合ではない。俺はすぐに上司二人に連絡し、その週の金曜、12/11から復帰したい、と伝えた。
それにしても、一体どんなタイミングで伝えればいいのだろうか。復帰するなり「辞めます」なんてあんまりだ。
転職経験のある友人にも、転職活動中に大怪我した経験のある人間はさすがにいなかった。当たり前だ。
そこで、こういうことのプロである、あの眠そうなエージェントにメールで相談してみた。
すると、悩みようは全くないことがわかった。
内定を受諾したら、即現職の上司に報告して承諾を得るのが当然なのだという。なぜなら、現職を辞めることが確定されなければ、内定先の会社も、採用活動を終了してよいか、継続すべきか判断できないからだ。
考えてみれば至極当然のことである。
そうか。やはり、復帰後即言わなければならないか...。
いや。
どうせいずれは通らなければならない関門だ。
それに上司にとっては、いつ言おうと、俺がどんな気持ちで面接に挑んだのだろうが、「怪我して休んでる間に転職活動して決めてしまったズルい奴」という印象は変わるまい。
ならば、むしろ最初に言ってしまった方が楽かもしれない。
腹を決めた俺は、再度、上司二人にメールを打った。
「明日の復帰時に、折り入ってお話ししたいことがあります。できれば、会議室など個室をご用意いただけませんか」と。
都合がいいことに、上司は朝一番の会議室を押さえてくれた。下手に「やあ、よく帰って来た」なんて散々やった後の午後なんかではそれこそ辛かっただろう。
翌12/11の朝。
遂に俺は現職へと復帰した。
11/30の仮復帰の時もそうだったが、会う人会う人歓迎の言葉をかけてくれる。その度に胸が痛む。
しかし、程なく始業時間となり、上司二人が「さあ、会議室行こう」と声をかけて来た。
いよいよか。
席につくと、「足の調子はどうだ？」と、まあ他の人と同様の挨拶から入る。正直言って余裕がないのでその質問には適当に答えながら、いよいよ話を切り出した。
こんな怪我をして、長期にわたって待っていただいたというのに、復帰するなりこんなご報告をしなければならないことを、本当に心苦しく思います。
ある会社から、4/1付けで、私をマニュアル制作者、テクニカルライターとして採用してくださるとの内定をいただきました。
つきましては、3/31をもって退職させていただきたく思います。
...息継ぎもそこそこに、一気に言い切った。
長年直属であった課長は、少しは驚きつつも、
「そうか、私が引き継いだ時からアセスメントにマニュアルセンターって書いてたもんな。」
と言った。
一方マネージャーは、遥かに驚きが大きかったのか、仰け反るような表情を見せ、課長の言葉に
「そうだったんですか、私は全然知らなかった」
と動揺を隠せない様子だった。
それから俺は、ボスをはじめ、チームのメンバーが全員いなくなったことが大きかったことや、だからこそ今チャレンジするべきだと考えたことなどを話した。
課長は穏やかな顔で、
「お前がいなくなるのはとても大きいし、今から、という時に残念だ。だけど、やりたいことをやるというなら、私としてはそれを応援するしかない。」
と言いながら、スっと顔をマネージャーの方に向けて言葉を促した。
マネージャーは動揺を懸命に抑えるような様子ながら、
「私も、チャレンジするというなら、応援するしかありませんね。」
というようなことを言った。
そして、
「部長には言ったのか？すぐ言った方がいいよ。」
会議室は1時間とってあってまだまだ時間があったので、二人と散会してすぐに部長に声をかけに行った。
幸い、部長も席にいたので、「ちょっとお話が」と言って会議室へ一緒に向かった。
上司二人に対してと同じように、...と言いたいところだが、何しろ俺はその4ヶ月ほど前の早期優遇退職募集期間中の面接で、この人に対して「今後もこの会社で頑張る」と言ってしまっていたのだ。
果たしてなんと言われるかと思ったので、半分演技、半分本気で言葉を詰まらせながら話した。
すると、意外にも穏やかな表情のまま部長は
「昨日、折り入って話をしたい、というメールを転送してもらった時から、こういう話だと思ってたよ。面接の時も、やりたいことがあるって言ってたもんな。」
そう言って、「やりたいことあるなら頑張れよ」と続けた。...まあ、後々この人からは微妙に意地悪をされるわけだが。
とにもかくにもこれで会社を辞めることが確定した。
つづく。
ただ...ピッタリな時間につく電車がないので、結局15分早く起きなければならないのだが。
まあ、少しずつ慣れていこう。
前職職場近くの桜
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 1/100sec, F2.5, ISO100)
実はこの写真を撮ったのはちょうど一年前だ。この頃、まさかこんなことになっているとは、全く想像だにしていなかった。
さてさて、収束目前の転職顛末記。
26 The Confession [告白]
奇跡の内定から、猶予は僅かに5日間。
そこに立てるとは思わずに突き進んだ結果辿り着いてしまった人生の大きな岐路で、俺は悩んだ。
しかし、自分の才能をより発揮できると思う仕事に就けるチャンスなんてそうそうない、と覚悟を決めた俺は12/7、内定を受諾し、入社する意向を伝えた。
そう。俺は本当に転職をすることになった。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
21. Slightly Bitter [ほろ苦]
22. Infinite Loop [無限ループ]
23. Their Final Decision [審判下る]
24. Think Simply [シンプルに行けばいい]
25. My Final Decision [決断]
でも、まだ悩むことがあった。
足の怪我で、俺はまだ現職に復帰すらしていないにも関わらず、転職だけを先に決めてしまったのだ。
一体どうやって上司や同僚達に伝えればいいのか。しかも、実際に移るのは4月。4ヶ月も後のことだ。
まず復帰しないことには話は始まらない。まだ膝が90度曲がらず、座っているのに少し苦労があるが、そんなことを言っている場合ではない。俺はすぐに上司二人に連絡し、その週の金曜、12/11から復帰したい、と伝えた。
それにしても、一体どんなタイミングで伝えればいいのだろうか。復帰するなり「辞めます」なんてあんまりだ。
転職経験のある友人にも、転職活動中に大怪我した経験のある人間はさすがにいなかった。当たり前だ。
そこで、こういうことのプロである、あの眠そうなエージェントにメールで相談してみた。
すると、悩みようは全くないことがわかった。
内定を受諾したら、即現職の上司に報告して承諾を得るのが当然なのだという。なぜなら、現職を辞めることが確定されなければ、内定先の会社も、採用活動を終了してよいか、継続すべきか判断できないからだ。
考えてみれば至極当然のことである。
そうか。やはり、復帰後即言わなければならないか...。
いや。
どうせいずれは通らなければならない関門だ。
それに上司にとっては、いつ言おうと、俺がどんな気持ちで面接に挑んだのだろうが、「怪我して休んでる間に転職活動して決めてしまったズルい奴」という印象は変わるまい。
ならば、むしろ最初に言ってしまった方が楽かもしれない。
腹を決めた俺は、再度、上司二人にメールを打った。
「明日の復帰時に、折り入ってお話ししたいことがあります。できれば、会議室など個室をご用意いただけませんか」と。
都合がいいことに、上司は朝一番の会議室を押さえてくれた。下手に「やあ、よく帰って来た」なんて散々やった後の午後なんかではそれこそ辛かっただろう。
翌12/11の朝。
遂に俺は現職へと復帰した。
11/30の仮復帰の時もそうだったが、会う人会う人歓迎の言葉をかけてくれる。その度に胸が痛む。
しかし、程なく始業時間となり、上司二人が「さあ、会議室行こう」と声をかけて来た。
いよいよか。
席につくと、「足の調子はどうだ？」と、まあ他の人と同様の挨拶から入る。正直言って余裕がないのでその質問には適当に答えながら、いよいよ話を切り出した。
こんな怪我をして、長期にわたって待っていただいたというのに、復帰するなりこんなご報告をしなければならないことを、本当に心苦しく思います。
ある会社から、4/1付けで、私をマニュアル制作者、テクニカルライターとして採用してくださるとの内定をいただきました。
つきましては、3/31をもって退職させていただきたく思います。
...息継ぎもそこそこに、一気に言い切った。
長年直属であった課長は、少しは驚きつつも、
「そうか、私が引き継いだ時からアセスメントにマニュアルセンターって書いてたもんな。」
と言った。
一方マネージャーは、遥かに驚きが大きかったのか、仰け反るような表情を見せ、課長の言葉に
「そうだったんですか、私は全然知らなかった」
と動揺を隠せない様子だった。
それから俺は、ボスをはじめ、チームのメンバーが全員いなくなったことが大きかったことや、だからこそ今チャレンジするべきだと考えたことなどを話した。
課長は穏やかな顔で、
「お前がいなくなるのはとても大きいし、今から、という時に残念だ。だけど、やりたいことをやるというなら、私としてはそれを応援するしかない。」
と言いながら、スっと顔をマネージャーの方に向けて言葉を促した。
マネージャーは動揺を懸命に抑えるような様子ながら、
「私も、チャレンジするというなら、応援するしかありませんね。」
というようなことを言った。
そして、
「部長には言ったのか？すぐ言った方がいいよ。」
会議室は1時間とってあってまだまだ時間があったので、二人と散会してすぐに部長に声をかけに行った。
幸い、部長も席にいたので、「ちょっとお話が」と言って会議室へ一緒に向かった。
上司二人に対してと同じように、...と言いたいところだが、何しろ俺はその4ヶ月ほど前の早期優遇退職募集期間中の面接で、この人に対して「今後もこの会社で頑張る」と言ってしまっていたのだ。
果たしてなんと言われるかと思ったので、半分演技、半分本気で言葉を詰まらせながら話した。
すると、意外にも穏やかな表情のまま部長は
「昨日、折り入って話をしたい、というメールを転送してもらった時から、こういう話だと思ってたよ。面接の時も、やりたいことがあるって言ってたもんな。」
そう言って、「やりたいことあるなら頑張れよ」と続けた。...まあ、後々この人からは微妙に意地悪をされるわけだが。
とにもかくにもこれで会社を辞めることが確定した。
つづく。
nobilesの投稿(23:45:39-2010-04-06) -
カテゴリ: Change Job
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