NOBILES Days
Jump to navigationToward The Shining Future 23
今日は部内会議で急遽退職挨拶をすることになった。課長からは最終日に昼礼をやると聞いていたのに、だ。
しかも、部長から出たセリフが「別途やるのも面倒だから」だそうだ。先月の取り扱い方に引き続き、なかなかのモンである。
まあ、この人はこういう人なんだと思って、もはや腹も立たなかった。キレイごとはよく言うけれど、結局、思い通りにならない人間はすぐに切り捨てるのだ。俺は、しょっちゅう意見をぶつけていたボスに対して、頭ごなしにニベもない言葉をぶつけていた部長の姿を何度も見ていた。
コマを稼ぎたかったはずの早期優遇退職で辞めず、しかも足を怪我して会社に迷惑をかけたくせに、このタイミングで辞める俺はさしずめ反逆者ということだろう。
挨拶後、「俺、見舞いに行ったんだよな」と言ったセリフの後に、「見舞いまで行ってやったのに」と俺には聞こえた。
この部の業績が下降したのと、この人が就任したタイミングが一致するのは、市場動向などがあったとは言え、偶然ではないと俺は思っている。
一方、いろいろあった課の上司については、もう特にネガティブな気持ちはない。
積極的なマネージメントはしてくれなかったけど、課長が俺のことを評価してくれているのは感じていた。
それこそしょっちゅうボスと衝突していたマネージャーも、俺個人に対しては至ってジェントルで、部長のような態度をとることはなかった。むしろ、足のこと含めて気を使い過ぎなほど気を使ってきて、晴れ晴れと送り出してくれることに恐縮するくらいだ。
まあ、部長に対しても今さらコトを荒立てるつもりも毛頭ない。こんなネットの隅っこで「王様の耳はロバの耳」をやるだけだ。
そんでもって部長が腹立たしく思うくらい晴れ晴れした笑顔で去ってやる。
そんなわけで、転職顛末記第23弾。
23 Their Final Decision [審判下る]
大怪我によるブランクからまさかの復活で希望企業の役員面接まで終えた俺は、しかし、再び混迷の中にいた。役員面接の出来はお世辞にも良いとは...どころかガタガタだったし、暫定復帰した現職の業務には興味がしぼんでいた。
でも、ボスや友人のポジティブな姿勢に触発され、なんとか早期に現職にも、転職活動にも復帰しよう、そう心に誓った。
そんな中...それは12月1日のことだ。ついにエージェントから連絡が来た。
風向きが変わった
(PentaxK-7, PentaxDA*60-250mmF4(98.0mm), ApertureValueMode, 1/160sec, F4.0, ISO100)
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
21. Slightly Bitter [ほろ苦]
22. Infinite Loop [無限ループ]
あの眠そうな目をしたエージェントから来たそのメールは、意外にも役員面接の結果を伝えるものではなかった。
「扶養家族について教えて下さい」
はい？？
意味が分からず、その言葉をすぐには飲み込めなかった。
間を置かずに電話をくれたので、詳しく聞いてみると、その役員面接まで言った会社から訊ねられたのだという。
「まあ、こんなことをわざわざ聞くのだから、もう要らない、ということではないと思いますよ」
...一気に風向きが変わった。
絶対に落ちたと思っていたのに、どうやら事態はポジティブに推移しているようなのだ。正直、驚いた。
では俺の心が躍ったかというと、実はそうではなかった。
何度も述べているように、この転職活動は「今こそ、やりたかったことを叶えるんだ」という想いと、「怪我を理由に諦めたくはない」という執念によって突っ走ってきたものだ。
だがそこに、実際に受かるなどという現実感は、正直乏しかったのである。
今回のエージェントの連絡を受けて、これまでは「受かるか落ちるか」という不安であったのに、「受かった場合現実はどうなるか」という不安が一気に吹き出してきたのだ。
それでも、扶養家族の情報は単に比較材料として聞いてきているだけかもしれないし、なるべく具体的には考えないようにした。
だが、その晩の風呂では「おいおいおいおい、受かっちゃったらどうすんだよ、どうなるんだよ」と頭をかきむしったものだ。
明けて12/2。
リハビリもなかったこの日、俺は現実逃避のように家族で穏やかに過ごした。ちょうどこの日、俺の両親も遊びに来たので、日中は転職のことも、現職のこともまったく考えないで済んだ。
夜の8時頃に両親は帰っていった。嫁さんと娘の3人になって、さあ一息とこたつに入ってiPhoneを何気なく見た時だった。そこには、エージェントからのメールがあった。そのサブジェクトを読んで、俺はザワザワと鳥肌が立った。
「○○社より、内定です」
つづく。
しかも、部長から出たセリフが「別途やるのも面倒だから」だそうだ。先月の取り扱い方に引き続き、なかなかのモンである。
まあ、この人はこういう人なんだと思って、もはや腹も立たなかった。キレイごとはよく言うけれど、結局、思い通りにならない人間はすぐに切り捨てるのだ。俺は、しょっちゅう意見をぶつけていたボスに対して、頭ごなしにニベもない言葉をぶつけていた部長の姿を何度も見ていた。
コマを稼ぎたかったはずの早期優遇退職で辞めず、しかも足を怪我して会社に迷惑をかけたくせに、このタイミングで辞める俺はさしずめ反逆者ということだろう。
挨拶後、「俺、見舞いに行ったんだよな」と言ったセリフの後に、「見舞いまで行ってやったのに」と俺には聞こえた。
この部の業績が下降したのと、この人が就任したタイミングが一致するのは、市場動向などがあったとは言え、偶然ではないと俺は思っている。
一方、いろいろあった課の上司については、もう特にネガティブな気持ちはない。
積極的なマネージメントはしてくれなかったけど、課長が俺のことを評価してくれているのは感じていた。
それこそしょっちゅうボスと衝突していたマネージャーも、俺個人に対しては至ってジェントルで、部長のような態度をとることはなかった。むしろ、足のこと含めて気を使い過ぎなほど気を使ってきて、晴れ晴れと送り出してくれることに恐縮するくらいだ。
まあ、部長に対しても今さらコトを荒立てるつもりも毛頭ない。こんなネットの隅っこで「王様の耳はロバの耳」をやるだけだ。
そんでもって部長が腹立たしく思うくらい晴れ晴れした笑顔で去ってやる。
そんなわけで、転職顛末記第23弾。
23 Their Final Decision [審判下る]
大怪我によるブランクからまさかの復活で希望企業の役員面接まで終えた俺は、しかし、再び混迷の中にいた。役員面接の出来はお世辞にも良いとは...どころかガタガタだったし、暫定復帰した現職の業務には興味がしぼんでいた。
でも、ボスや友人のポジティブな姿勢に触発され、なんとか早期に現職にも、転職活動にも復帰しよう、そう心に誓った。
そんな中...それは12月1日のことだ。ついにエージェントから連絡が来た。
風向きが変わった
(PentaxK-7, PentaxDA*60-250mmF4(98.0mm), ApertureValueMode, 1/160sec, F4.0, ISO100)
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
21. Slightly Bitter [ほろ苦]
22. Infinite Loop [無限ループ]
あの眠そうな目をしたエージェントから来たそのメールは、意外にも役員面接の結果を伝えるものではなかった。
「扶養家族について教えて下さい」
はい？？
意味が分からず、その言葉をすぐには飲み込めなかった。
間を置かずに電話をくれたので、詳しく聞いてみると、その役員面接まで言った会社から訊ねられたのだという。
「まあ、こんなことをわざわざ聞くのだから、もう要らない、ということではないと思いますよ」
...一気に風向きが変わった。
絶対に落ちたと思っていたのに、どうやら事態はポジティブに推移しているようなのだ。正直、驚いた。
では俺の心が躍ったかというと、実はそうではなかった。
何度も述べているように、この転職活動は「今こそ、やりたかったことを叶えるんだ」という想いと、「怪我を理由に諦めたくはない」という執念によって突っ走ってきたものだ。
だがそこに、実際に受かるなどという現実感は、正直乏しかったのである。
今回のエージェントの連絡を受けて、これまでは「受かるか落ちるか」という不安であったのに、「受かった場合現実はどうなるか」という不安が一気に吹き出してきたのだ。
それでも、扶養家族の情報は単に比較材料として聞いてきているだけかもしれないし、なるべく具体的には考えないようにした。
だが、その晩の風呂では「おいおいおいおい、受かっちゃったらどうすんだよ、どうなるんだよ」と頭をかきむしったものだ。
明けて12/2。
リハビリもなかったこの日、俺は現実逃避のように家族で穏やかに過ごした。ちょうどこの日、俺の両親も遊びに来たので、日中は転職のことも、現職のこともまったく考えないで済んだ。
夜の8時頃に両親は帰っていった。嫁さんと娘の3人になって、さあ一息とこたつに入ってiPhoneを何気なく見た時だった。そこには、エージェントからのメールがあった。そのサブジェクトを読んで、俺はザワザワと鳥肌が立った。
「○○社より、内定です」
つづく。
nobilesの投稿(23:51:46-2010-03-25) -
カテゴリ: Change Job
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