NOBILES Days
Jump to navigationFrankly Speaking... Vol.30
なんかグチばっかで恐縮なんだけどさあ。
いやね、例のリーダーなんだが、今iPadに関係する仕事をしているので、ちょこちょこ触っている。本人は何か意図があるのかもしれないけど、傍目、少なくとも俺には半分物珍しさの遊びにしか見えない。しかも、センスのかけらも検索する脳もないので、すぐに使い方を俺に聞いてくる。
またその質問内容が下らないのだ。カーソル移動するのはどうするんだ、だの、設定画面出すにはどうしたらいいんだ、だの。
「忙しいとこスミマセンね」
...分かってんなら、ちっとは自分の力でなんとかしろいっ！っていうか、多分分かってないんだろうなぁ。
Cousins
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F2.5, ISO125)
1ヶ月違いで生まれた、俺の妹の娘と、うちの次女だ。おっとりなうちの娘と比べると、妹の娘はママに似て、なかなか攻撃的だった。
さて、前職ぶっちゃけ回顧録だ。もう辞めて2年になろうとしている。スピードアップしていくか。
前回、2009年の年明けとともにギヤチェンジしたボスのペースについていけず、ふさぎ込んでしまった「かの国」から来た研修生Jの話をした。
それと同時期...それは1月の末頃だったろうか、会社の危機的状況が明らかにされた。
前職ぶっちゃけ回顧録
「30.曲がり角」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
23.終戦
24.相談
25.寡黙なる広島人（島根出身）
26.ネット・ゲーマー
27.少年
28.強奪
29.放置
その4年前に叩いた「創立以来の大赤字」と言われた額（そのために俺たちのいた事業所も移転となった）のさらに倍以上となる巨大な赤字が見込まれること。俺たちのいた事業部が噂通り、提携する会社との合弁会社に、およそ半年後の秋には移行すること。漠然と予想され、噂も流れていた内容ではあったが、かつてない事態が実際に訪れたことはいやでも実感させられた。
ただ、200kmほど離れた先方の事業所への移転が懸念された合弁会社の事業所の場所は、これまで通り俺たちがいた事業所に置かれ、先方からの出向者がこちらに入る形になった。
一方では、基本的には全ての派遣社員との契約を解除する方針も示された。さらに、正社員についても、全社的に大規模な希望退職者の募集が行われることになった。
派遣社員全員がいなくなるというのは、俺たちの部署にとっては極めて大きな事態だった。繰り返し中心の比較的単純な作業については、次々に派遣さんを雇い、正社員は開発作業に集中する体制が組まれていたからだ。特に、俺のいた課は所属員の過半数が派遣さんという、他の課と比べてもはるかに偏った構成だった。もちろんそこには、パラメーター設定という繰り返し作業が中心だったことも関係しているわけだが...。後から振り返るに、やはり異常だった。
そして、その課の中にある俺たちだ。ボスのグループにとってもこのことは致命的な打撃となるのは明白だった。ボスも俺も、電気エンジニアであって、プログラミングは全て2人の派遣社員スギさんとSに頼っていたからだ。極めて大量の繰り返し作業も、それを効率的に猛スピードでこなす「ヅメ」がいたから回せていた。
え？J？それは足し算じゃなくて引き算せにゃならん (′Д`;。
大きな曲がり角が来ていた。でも、正直俺の心にはどこか、楽天的なものがこびりついていた。
かつてヤバイヤバイと言われて事業所を移っても、ツッコミどころは数あれど、素晴らしい環境が用意された。派遣さんも、本人が移転を拒否しない限り、全員連れてきた。派遣会社でなく、こっちの会社が引っ越し費用を負担してだ。
だから、「基本的に全員」と言っても必要な派遣さんは残されるのではないか、と。
これらの内容が正社員に発表された部内会議はさすがに沈痛な雰囲気だった。しかしそこで俺は部長に、今思えば的外れなノーテンキな質問をしている。
「派遣さん全員ということですが、いなければ困る派遣の方もいます。そうした事情はヒアリングして考慮していただけるのでしょうか？」
だが、部長も呼応するように、ノーテンキな回答をした。
「もちろんだ。」
だが、それからすぐに...多分1週間もしなかったと思うが、部に所属する派遣社員全員が、3月末と6月末という2度に分けて契約を終了させる旨が連絡された。もちろん、なんのヒアリングもなかった。最初から方針は絶対だった。
部長は分かっていたのか、そうでないのか。いや、分かっていなかったとはとても考えられない。彼はいつでも建前と本音が乖離していた。しかも、それがかなり分かりやすく見抜けかれてしまう人なのだ。
社員の間では、「これまで一緒に頑張ってきた派遣社員を辞めさせるのはひどい」という風潮が強かった。事実、組合の会合でもそんな意見が出されている。俺も当時そう思った。
しかし、3人の派遣さんを失うことになって大打撃のはずのボスは違う感想をあっさりと口にした。
「そういうもんだろ、派遣って」。
正直、俺もこの会社を辞めるまでその意味が分からなかった。
しかし、その通りだ。派遣社員は本来テンタティブ要員である。組合員でない派遣社員のことを組合に訴えるなど筋違いだ。制度の問題はあれど、この事態で会社が解決すべき問題ではない。
でも、そんなことを忘れるくらい、俺らの職場には多くの派遣さんがいたし、一人一人の期間も長く、働き方も正社員と対して変わらないメンバーもいた。仲間意識さえも芽生えた。その形態が、制度に対して異常だったのだ。
だから、ボスの感覚は本来世間一般のものだったと思う。すぐに、どうにか正社員のプログラマーを融通できないか、上司に働きかけ始めた。
会社がある大物製品の撤退を決めたこともあったので、
「あっちの部門のプログラム屋が余ってんだろ。正社員入れるチャンスだな」。
むしろプロジェクトを前進させるためのポジティブな動きにすら変えようとしていた。
しかし企業の論理は、個人の思惑や合理性とは別のところで動くものだということは、それからイヤというほど俺達は思い知らされることになるのだ。
つづく。
いやね、例のリーダーなんだが、今iPadに関係する仕事をしているので、ちょこちょこ触っている。本人は何か意図があるのかもしれないけど、傍目、少なくとも俺には半分物珍しさの遊びにしか見えない。しかも、センスのかけらも検索する脳もないので、すぐに使い方を俺に聞いてくる。
またその質問内容が下らないのだ。カーソル移動するのはどうするんだ、だの、設定画面出すにはどうしたらいいんだ、だの。
「忙しいとこスミマセンね」
...分かってんなら、ちっとは自分の力でなんとかしろいっ！っていうか、多分分かってないんだろうなぁ。
Cousins
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F2.5, ISO125)
1ヶ月違いで生まれた、俺の妹の娘と、うちの次女だ。おっとりなうちの娘と比べると、妹の娘はママに似て、なかなか攻撃的だった。
さて、前職ぶっちゃけ回顧録だ。もう辞めて2年になろうとしている。スピードアップしていくか。
前回、2009年の年明けとともにギヤチェンジしたボスのペースについていけず、ふさぎ込んでしまった「かの国」から来た研修生Jの話をした。
それと同時期...それは1月の末頃だったろうか、会社の危機的状況が明らかにされた。
前職ぶっちゃけ回顧録
「30.曲がり角」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
23.終戦
24.相談
25.寡黙なる広島人（島根出身）
26.ネット・ゲーマー
27.少年
28.強奪
29.放置
その4年前に叩いた「創立以来の大赤字」と言われた額（そのために俺たちのいた事業所も移転となった）のさらに倍以上となる巨大な赤字が見込まれること。俺たちのいた事業部が噂通り、提携する会社との合弁会社に、およそ半年後の秋には移行すること。漠然と予想され、噂も流れていた内容ではあったが、かつてない事態が実際に訪れたことはいやでも実感させられた。
ただ、200kmほど離れた先方の事業所への移転が懸念された合弁会社の事業所の場所は、これまで通り俺たちがいた事業所に置かれ、先方からの出向者がこちらに入る形になった。
一方では、基本的には全ての派遣社員との契約を解除する方針も示された。さらに、正社員についても、全社的に大規模な希望退職者の募集が行われることになった。
派遣社員全員がいなくなるというのは、俺たちの部署にとっては極めて大きな事態だった。繰り返し中心の比較的単純な作業については、次々に派遣さんを雇い、正社員は開発作業に集中する体制が組まれていたからだ。特に、俺のいた課は所属員の過半数が派遣さんという、他の課と比べてもはるかに偏った構成だった。もちろんそこには、パラメーター設定という繰り返し作業が中心だったことも関係しているわけだが...。後から振り返るに、やはり異常だった。
そして、その課の中にある俺たちだ。ボスのグループにとってもこのことは致命的な打撃となるのは明白だった。ボスも俺も、電気エンジニアであって、プログラミングは全て2人の派遣社員スギさんとSに頼っていたからだ。極めて大量の繰り返し作業も、それを効率的に猛スピードでこなす「ヅメ」がいたから回せていた。
え？J？それは足し算じゃなくて引き算せにゃならん (′Д`;。
大きな曲がり角が来ていた。でも、正直俺の心にはどこか、楽天的なものがこびりついていた。
かつてヤバイヤバイと言われて事業所を移っても、ツッコミどころは数あれど、素晴らしい環境が用意された。派遣さんも、本人が移転を拒否しない限り、全員連れてきた。派遣会社でなく、こっちの会社が引っ越し費用を負担してだ。
だから、「基本的に全員」と言っても必要な派遣さんは残されるのではないか、と。
これらの内容が正社員に発表された部内会議はさすがに沈痛な雰囲気だった。しかしそこで俺は部長に、今思えば的外れなノーテンキな質問をしている。
「派遣さん全員ということですが、いなければ困る派遣の方もいます。そうした事情はヒアリングして考慮していただけるのでしょうか？」
だが、部長も呼応するように、ノーテンキな回答をした。
「もちろんだ。」
だが、それからすぐに...多分1週間もしなかったと思うが、部に所属する派遣社員全員が、3月末と6月末という2度に分けて契約を終了させる旨が連絡された。もちろん、なんのヒアリングもなかった。最初から方針は絶対だった。
部長は分かっていたのか、そうでないのか。いや、分かっていなかったとはとても考えられない。彼はいつでも建前と本音が乖離していた。しかも、それがかなり分かりやすく見抜けかれてしまう人なのだ。
社員の間では、「これまで一緒に頑張ってきた派遣社員を辞めさせるのはひどい」という風潮が強かった。事実、組合の会合でもそんな意見が出されている。俺も当時そう思った。
しかし、3人の派遣さんを失うことになって大打撃のはずのボスは違う感想をあっさりと口にした。
「そういうもんだろ、派遣って」。
正直、俺もこの会社を辞めるまでその意味が分からなかった。
しかし、その通りだ。派遣社員は本来テンタティブ要員である。組合員でない派遣社員のことを組合に訴えるなど筋違いだ。制度の問題はあれど、この事態で会社が解決すべき問題ではない。
でも、そんなことを忘れるくらい、俺らの職場には多くの派遣さんがいたし、一人一人の期間も長く、働き方も正社員と対して変わらないメンバーもいた。仲間意識さえも芽生えた。その形態が、制度に対して異常だったのだ。
だから、ボスの感覚は本来世間一般のものだったと思う。すぐに、どうにか正社員のプログラマーを融通できないか、上司に働きかけ始めた。
会社がある大物製品の撤退を決めたこともあったので、
「あっちの部門のプログラム屋が余ってんだろ。正社員入れるチャンスだな」。
むしろプロジェクトを前進させるためのポジティブな動きにすら変えようとしていた。
しかし企業の論理は、個人の思惑や合理性とは別のところで動くものだということは、それからイヤというほど俺達は思い知らされることになるのだ。
つづく。
nobilesの投稿(23:47:11-2012-02-02) -
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