NOBILES Days
Jump to navigationFrankly Speaking... Vol.36
ある日電車で、隣に座ったヤツがiPhoneを操作していた。なんだか良く分からないけど、画面を下から上へごしごしと擦るような動作をしている。多分ゲームなんだろう。夢中になっているその腕のアクションが俺の肩から二の腕あたりを擦る形になる。はっきり言ってウザい。軽い殺意すら芽生える。
そう思っていたら、降りた。良かった、殺人犯にならずに済んだ。
...。
代わりに座ったヤツまで、さっきのヤツと同じと思しきゲームやってる (′Д`;。高級感溢れるiPhone5をわざわざ無様なちゃっちいケースに入れてよぉ。
なんなの？あの連中は、あんな下らないゲームのためにiPhoneを買ったわけ？まあ、俺もゲームしないわけじゃないし、大半の時間を費やしているのがこの無駄な情報を垂れ流し続けるblog執筆なんだから、差がないじゃないか、と言われればそうかもしれないがね。最新技術の粋を集めたスマートフォンでやるのがあんな「ゴシゴシ」じゃ、なんだか寂しいものがあると感じるのは、ねじ曲がった心かね。
The Power!
(PentaxK-7, PentaxFA43mmLimitedF1.9, 1/100sec, F10.0, ISO200)
さて、前職ぶっちゃけ回顧録を進めよう。
前職ぶっちゃけ回顧録
「36.頭ごなし」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
23.終戦
24.相談
25.寡黙なる広島人（島根出身）
26.ネット・ゲーマー
27.少年
28.強奪
29.放置
30.曲がり角
31.隠れファン
32.フリフリピンク
33.汚物
34.外鍵のない部屋
35.回収
前回のあらすじ。
2009年が明けて間もなく、「男の育休」を終えて俺は前職となる会社に復帰した。その頃、会社は業績の急落で酷い状態で、部にたくさん所属していた派遣社員との契約も同年3月末と6月末とに分けて全て終了することになっていた。
しかしその直前の2〜3月、ある機種の出荷を控えて仕事は忙しくなっていた。
そんな中、「ボス」の率いる、俺が所属していたグループは、「かの国」の工場で採用され、送り込まれてきた研修生「J」が全く機能せず、手を焼いていた。
ボスは、言葉で言っても分からないならと、リスク覚悟でJに大きな失敗をするまで（実は完全監視のもと）放っておいた。そしてその失敗をチームでリカバリーしていく過程で、チームワークや責任感などを実感してもらおうとしたが、残念ながら彼には響かなかった。
ボスは、やるべきことは全部やったとして、Jを配置転換するか、さもなくば「かの国」に送り返すか、上に提言することにした。
この研修生制度を発案したのは、「かの国」の工場の駐在日本人ということだったが、日本に送り込まれた後の、住宅だとか通勤だとかのお世話は、あの「シモシモ」がいる事業戦略系の部門がやっているようだった。だが、預り手である技術部の中でも、ある課長が元締め的な立場になっていた。しかし、あまり積極的に何かやろうという感じでもなく、 形骸化していたように記憶している。
つまり、この研修生に関して、責任の所在がはっきりしていなかった。
ボスと仲のいい同期には、生産計画系の部門の課長がいたので、実は会社の裏の内情も結構入ってきていた。
この研修制度に関しても例外ではない。大義名分を与えられたこのミッションだが、実は「かの国」に戻ってから何をさせるのかはっきり決まっていないということだった。つまり、研修期間中にどこまで成長させるかというゴールの設定がそもそも存在しなかったことになる。そんなだから、この企画をぶち上げた駐在日本人に対する風当たりは厳しくなっていたという。
もちろん、日本人駐在者や、日本の事業所に頼らない工場の実現のために、という大義は素晴らしいものだ。しかし、全体の流れが固まる前に、とりあえず入ったばかりのペーペーの新人をいきなり日本に寄こし、あとは技術部お願い！という形になってしまったように（少なくとも技術部側から見ると）思える。
今考えるといろんな事情はあったのだろう。それなりにこなせるようになった現地スタッフは、既に現場では「なくてはならない存在」になっていて離れられない。だから寄越すなら新人しか選択肢が無かったのかもしれない。それにしても大学を卒業して半年の新人だ。社会のルール、まして日本との文化の違いもろくに理解できていない若者にとっては遠足気分だったかもしれない。
一方で研修生の間にもかなりレベルの差はあった。一部の研修生は中間発表でもなかなかレベルの高い解析結果をプレゼンしたりしていたが、我らがJは小学校の学芸会のようだった。俺たちがかなり入れ知恵してもだ。
考えてみれば、日本人社員にもいろいろいるのだから、研修生にもいろいろいる。それでもなぜJが採用されたのか、疑問なのは変わりがない。「ここは託児所じゃねーんだよ」。よくボスは言っていた。
さてJについてボスは、受け入れ部門は事業戦略部署だろうと思い、とっかかりとして、シモシモのところへ話をしに行った。定時退社日で人も疎らだったと記憶しているが、案の定シモシモは自席にいた。
正直、シモシモに話をしに行ってからのクダリは、展開が早かったので4年近く経過した今では記憶が曖昧になっている。だが、ボスはシモシモに対し、誰にいえば良いのか分からない、というような話の仕方をしたと思う。
すると、ちょうどそのシモシモの机の近くを、打ち合わせか何かから戻ってきた部長が通りかかった。
「ああ、Uさん、ちょうどいい、一緒に話をしましょう、研修生の件」。
シモシモが声をかけ、シモシモの上司にあたる人も一緒に会議室に移動して本格的に話をすることになった。
会議室に入って席に着くや否や、部長がかなり厳しい口調で話し始めた。それは、人格者との評が一般的だった部長の印象からすると、かなり驚くほどのものだった。
「おいI（ボス）、Jをお前に預けて、あっちの事業所で一人前に働けるように育てろって指示したのは俺だよな？それをなんだ、俺を飛び越えてS（シモシモ）に、もうムリなんて言いにくるなんてどういうことだ？」
話す気満々で、俺の隣に着席したボスの、心と物理的な姿勢がガクッと崩れるのが、俺の目にもはっきり分かった。
「出た！必殺『頭ごなし怒鳴り』だよ。もう話す気失せたよ、あの瞬間で」。
後に語ったボスの言葉だ。
これはマズイな、と思った直後、シモシモが割って入った。
「いや、待って下さい。Iな、お前は誰に相談すべきか分からないって俺のところに来てくれたんだよな」
「何言ってんだ、お前（ボス）は○○部の所属で、俺の部下だろう」
まあ確かに指示系統を考えると、ボスがシモシモに相談しに行ったのは正しくはなかったかもしれない。ただ、この頃すでにボスと部長の仲は微妙なものになっていたので、ある意味では外堀を埋める根回しとしてシモシモのところに行ったのだろう。ところが、たまたま近くを部長が通ってシモシモが声をかけてしまった、ということになるだろう。
「まあまあ、今回の研修生にはいろいろな人が関わっていますから。みんなで解決することでしょう。話を聞きましょう」
というような感じのシモシモの懐柔で、やっと話が始まった。しかも、ボスは心が折れたので、結局シモシモが司会するような形になった。
いざ話が始まると、あれだけ勇ましかった部長はほとんど発言しなくなってしまったと記憶している。つまり結局、研修生について興味が薄く、状況を把握していなかったのではないかと思う。
そう言えばすっかり忘れていたが、部長は派遣社員全員の契約解除を発表した時に、こうも言った。
「人が足りなくなる分は研修生をうまく使ってヤリクリしよう」
...これは今考えても意味が分からない。緊急人員で即戦力である派遣社員と、「かの国」の工場での将来を期待された研修生とは存在意義は全く異なるはずだ。
確かに、現実的には単純作業は開発の正社員でなく、まず研修生にやらせるしかなくなるだろう。だが、結果的にそうなってしまうのと、ハナからそう考えて取り掛かるのでは意味が違う。彼らがここにいる本来の目的を見失っている。
結局、部長はこの時、研修生をろくに教育する気がないことを露呈していたのだ。
閑話休題。心折らされながらもボスはまず、現状を伝える。
7〜8ヶ月に渡り、根気強く技術的にも道徳的にも教育を行ってきたが全く成長が見られないこと。そして今回の一件。
「そこに言語的な問題はないの？日本語が分からないからではないの？」
恐らくボスがそれまでに数十回にわたって人に言われたであろうセリフを、シモシモの上司が口にした。
「いえ、ありえません。」
ボスが即答した。正確に伝えたいことは必ず通訳を呼んで伝えていたこと、途中から業務の指示は全て通訳によって「かの国」語に翻訳してメールで行っていたこと、その履歴も残していることなどを伝えた。
それから小一時間、主にシモシモとその上司が、ああはしなかったのか、こうはしなかったのかと尋ねては、ボスが「いや、ダメでした」と即答することの繰り返しが続いた。
結局話は、向き不向きもあるから研修生たちのローテーションも必要かもしれないね、という方向に向かう。この時出荷を控えていた機種の仕事が終わるまではなんとか現状のままで、その後どうするか結論を出そう、ということになった。
冒頭、あれだけの剣幕だった部長も、それでいいですと、あっけなく了承した。
こうして、ボスの主張はようやく上層部にも届いた。ボスも少しは安堵したように見えた。
つづく。
そう思っていたら、降りた。良かった、殺人犯にならずに済んだ。
...。
代わりに座ったヤツまで、さっきのヤツと同じと思しきゲームやってる (′Д`;。高級感溢れるiPhone5をわざわざ無様なちゃっちいケースに入れてよぉ。
なんなの？あの連中は、あんな下らないゲームのためにiPhoneを買ったわけ？まあ、俺もゲームしないわけじゃないし、大半の時間を費やしているのがこの無駄な情報を垂れ流し続けるblog執筆なんだから、差がないじゃないか、と言われればそうかもしれないがね。最新技術の粋を集めたスマートフォンでやるのがあんな「ゴシゴシ」じゃ、なんだか寂しいものがあると感じるのは、ねじ曲がった心かね。
The Power!
(PentaxK-7, PentaxFA43mmLimitedF1.9, 1/100sec, F10.0, ISO200)
さて、前職ぶっちゃけ回顧録を進めよう。
前職ぶっちゃけ回顧録
「36.頭ごなし」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
23.終戦
24.相談
25.寡黙なる広島人（島根出身）
26.ネット・ゲーマー
27.少年
28.強奪
29.放置
30.曲がり角
31.隠れファン
32.フリフリピンク
33.汚物
34.外鍵のない部屋
35.回収
前回のあらすじ。
2009年が明けて間もなく、「男の育休」を終えて俺は前職となる会社に復帰した。その頃、会社は業績の急落で酷い状態で、部にたくさん所属していた派遣社員との契約も同年3月末と6月末とに分けて全て終了することになっていた。
しかしその直前の2〜3月、ある機種の出荷を控えて仕事は忙しくなっていた。
そんな中、「ボス」の率いる、俺が所属していたグループは、「かの国」の工場で採用され、送り込まれてきた研修生「J」が全く機能せず、手を焼いていた。
ボスは、言葉で言っても分からないならと、リスク覚悟でJに大きな失敗をするまで（実は完全監視のもと）放っておいた。そしてその失敗をチームでリカバリーしていく過程で、チームワークや責任感などを実感してもらおうとしたが、残念ながら彼には響かなかった。
ボスは、やるべきことは全部やったとして、Jを配置転換するか、さもなくば「かの国」に送り返すか、上に提言することにした。
この研修生制度を発案したのは、「かの国」の工場の駐在日本人ということだったが、日本に送り込まれた後の、住宅だとか通勤だとかのお世話は、あの「シモシモ」がいる事業戦略系の部門がやっているようだった。だが、預り手である技術部の中でも、ある課長が元締め的な立場になっていた。しかし、あまり積極的に何かやろうという感じでもなく、 形骸化していたように記憶している。
つまり、この研修生に関して、責任の所在がはっきりしていなかった。
ボスと仲のいい同期には、生産計画系の部門の課長がいたので、実は会社の裏の内情も結構入ってきていた。
この研修制度に関しても例外ではない。大義名分を与えられたこのミッションだが、実は「かの国」に戻ってから何をさせるのかはっきり決まっていないということだった。つまり、研修期間中にどこまで成長させるかというゴールの設定がそもそも存在しなかったことになる。そんなだから、この企画をぶち上げた駐在日本人に対する風当たりは厳しくなっていたという。
もちろん、日本人駐在者や、日本の事業所に頼らない工場の実現のために、という大義は素晴らしいものだ。しかし、全体の流れが固まる前に、とりあえず入ったばかりのペーペーの新人をいきなり日本に寄こし、あとは技術部お願い！という形になってしまったように（少なくとも技術部側から見ると）思える。
今考えるといろんな事情はあったのだろう。それなりにこなせるようになった現地スタッフは、既に現場では「なくてはならない存在」になっていて離れられない。だから寄越すなら新人しか選択肢が無かったのかもしれない。それにしても大学を卒業して半年の新人だ。社会のルール、まして日本との文化の違いもろくに理解できていない若者にとっては遠足気分だったかもしれない。
一方で研修生の間にもかなりレベルの差はあった。一部の研修生は中間発表でもなかなかレベルの高い解析結果をプレゼンしたりしていたが、我らがJは小学校の学芸会のようだった。俺たちがかなり入れ知恵してもだ。
考えてみれば、日本人社員にもいろいろいるのだから、研修生にもいろいろいる。それでもなぜJが採用されたのか、疑問なのは変わりがない。「ここは託児所じゃねーんだよ」。よくボスは言っていた。
さてJについてボスは、受け入れ部門は事業戦略部署だろうと思い、とっかかりとして、シモシモのところへ話をしに行った。定時退社日で人も疎らだったと記憶しているが、案の定シモシモは自席にいた。
正直、シモシモに話をしに行ってからのクダリは、展開が早かったので4年近く経過した今では記憶が曖昧になっている。だが、ボスはシモシモに対し、誰にいえば良いのか分からない、というような話の仕方をしたと思う。
すると、ちょうどそのシモシモの机の近くを、打ち合わせか何かから戻ってきた部長が通りかかった。
「ああ、Uさん、ちょうどいい、一緒に話をしましょう、研修生の件」。
シモシモが声をかけ、シモシモの上司にあたる人も一緒に会議室に移動して本格的に話をすることになった。
会議室に入って席に着くや否や、部長がかなり厳しい口調で話し始めた。それは、人格者との評が一般的だった部長の印象からすると、かなり驚くほどのものだった。
「おいI（ボス）、Jをお前に預けて、あっちの事業所で一人前に働けるように育てろって指示したのは俺だよな？それをなんだ、俺を飛び越えてS（シモシモ）に、もうムリなんて言いにくるなんてどういうことだ？」
話す気満々で、俺の隣に着席したボスの、心と物理的な姿勢がガクッと崩れるのが、俺の目にもはっきり分かった。
「出た！必殺『頭ごなし怒鳴り』だよ。もう話す気失せたよ、あの瞬間で」。
後に語ったボスの言葉だ。
これはマズイな、と思った直後、シモシモが割って入った。
「いや、待って下さい。Iな、お前は誰に相談すべきか分からないって俺のところに来てくれたんだよな」
「何言ってんだ、お前（ボス）は○○部の所属で、俺の部下だろう」
まあ確かに指示系統を考えると、ボスがシモシモに相談しに行ったのは正しくはなかったかもしれない。ただ、この頃すでにボスと部長の仲は微妙なものになっていたので、ある意味では外堀を埋める根回しとしてシモシモのところに行ったのだろう。ところが、たまたま近くを部長が通ってシモシモが声をかけてしまった、ということになるだろう。
「まあまあ、今回の研修生にはいろいろな人が関わっていますから。みんなで解決することでしょう。話を聞きましょう」
というような感じのシモシモの懐柔で、やっと話が始まった。しかも、ボスは心が折れたので、結局シモシモが司会するような形になった。
いざ話が始まると、あれだけ勇ましかった部長はほとんど発言しなくなってしまったと記憶している。つまり結局、研修生について興味が薄く、状況を把握していなかったのではないかと思う。
そう言えばすっかり忘れていたが、部長は派遣社員全員の契約解除を発表した時に、こうも言った。
「人が足りなくなる分は研修生をうまく使ってヤリクリしよう」
...これは今考えても意味が分からない。緊急人員で即戦力である派遣社員と、「かの国」の工場での将来を期待された研修生とは存在意義は全く異なるはずだ。
確かに、現実的には単純作業は開発の正社員でなく、まず研修生にやらせるしかなくなるだろう。だが、結果的にそうなってしまうのと、ハナからそう考えて取り掛かるのでは意味が違う。彼らがここにいる本来の目的を見失っている。
結局、部長はこの時、研修生をろくに教育する気がないことを露呈していたのだ。
閑話休題。心折らされながらもボスはまず、現状を伝える。
7〜8ヶ月に渡り、根気強く技術的にも道徳的にも教育を行ってきたが全く成長が見られないこと。そして今回の一件。
「そこに言語的な問題はないの？日本語が分からないからではないの？」
恐らくボスがそれまでに数十回にわたって人に言われたであろうセリフを、シモシモの上司が口にした。
「いえ、ありえません。」
ボスが即答した。正確に伝えたいことは必ず通訳を呼んで伝えていたこと、途中から業務の指示は全て通訳によって「かの国」語に翻訳してメールで行っていたこと、その履歴も残していることなどを伝えた。
それから小一時間、主にシモシモとその上司が、ああはしなかったのか、こうはしなかったのかと尋ねては、ボスが「いや、ダメでした」と即答することの繰り返しが続いた。
結局話は、向き不向きもあるから研修生たちのローテーションも必要かもしれないね、という方向に向かう。この時出荷を控えていた機種の仕事が終わるまではなんとか現状のままで、その後どうするか結論を出そう、ということになった。
冒頭、あれだけの剣幕だった部長も、それでいいですと、あっけなく了承した。
こうして、ボスの主張はようやく上層部にも届いた。ボスも少しは安堵したように見えた。
つづく。
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